【脳卒中リハビリ】片麻痺のぶん回し歩行は改善できる?原因やリハビリ方法をわかりやすく解説

目次

はじめに

「歩くと麻痺した足が外側に大きく回ってしまう」

「足をまっすぐ前に出したいのに、うまく出せない」

「退院してから歩けるようにはなったけれど、歩き方が気になる」

脳卒中後の片麻痺では、このような歩き方に悩んでいる方が少なくありません。

麻痺した足を前へ出す際に、外側へ半円を描くように回す歩き方は、一般的に「ぶん回し歩行」と呼ばれています。

ご本人だけでなく、ご家族から見ても特徴が分かりやすいため、「もっと足をまっすぐ出した方がいいのでは?」「足の筋力が弱いから、ぶん回してしまうのでは?」と感じることもあるでしょう。

しかし、ぶん回し歩行は単純に「足の筋力が弱い」「歩き方の癖がついている」という理由だけで起こるものではありません。

膝が十分に曲がらない、足首を上げにくい、麻痺側の足で身体を支えにくい、体幹や骨盤をうまく使えないなど、さまざまな原因が関係しています。

また、つま先を床に引っかけずに足を前へ運ぶため、身体があえて足を外側へ回している場合もあります。

つまり、ぶん回し歩行を改善したいからといって、「足をまっすぐ出すこと」だけを意識すればよいとは限りません。

大切なのは、「なぜ足を外側へ回さなければ前へ出しにくいのか?」という原因を考えることです。

この記事では、脳卒中後の片麻痺でみられるぶん回し歩行について、原因や関係する筋肉、改善するためのリハビリ方法を、脳卒中当事者やご家族にも分かりやすく解説していきます。

ぶん回し歩行とは?片麻痺でみられる特徴

まずは、ぶん回し歩行がどのような歩き方なのかを見ていきましょう。

ぶん回し歩行とは

ぶん回し歩行とは、足をまっすぐ前へ振り出すのではなく、外側へ半円を描くように回しながら前へ出す歩き方をいいます。

医療やリハビリの現場では「分回し歩行」と表記されることもあります。

たとえば右側に麻痺がある方の場合、歩くときに右足を一度身体の外側へ広げ、そこから弧を描くように前へ運びます。

脳卒中後の片麻痺では、比較的みられやすい歩き方の一つです。

見た目だけを見ると「足を外側へ動かす癖がついている」と感じるかもしれませんが、実際には身体が歩くために必要な動きとして行っている場合があります。

脳卒中・片麻痺でぶん回し歩行になる原因

ぶん回し歩行の原因は一つではありません。

同じように足を外側へ回して歩いていても、膝が原因となっている方もいれば、足首や身体の支え方が大きく影響している方もいます。

ここでは、脳卒中後の片麻痺で考えられる代表的な原因を5つに分けて解説します。

原因① 膝が伸びたままになり、足を前へ出しにくい

歩くときは、足を前へ運ぶ瞬間に膝が自然に曲がります。膝が曲がることで足全体が一時的に短くなり、つま先を床に引っかけずに前へ出しやすくなります。

一方、脳卒中後の片麻痺では、麻痺側の膝が伸びたままになったり、後ろへ突っ張る「膝のロッキング」がみられたりすることがあります。

膝を伸ばして身体を支えることは、安定するための工夫になっている場合もあります。しかし、その状態が続くと足を前へ出す際に膝を曲げにくくなり、つま先が床に当たりやすくなります。

そのため、身体を横へ傾けたり、骨盤を持ち上げたり、足を外側へ回したりして前へ運ぶことで、ぶん回し歩行につながることがあります。

ここで大切なのは、「膝が曲がらない=膝だけの問題」ではないということです。足首や股関節の動き、麻痺側で身体を支える力なども関係している場合があります。

▶︎歩くときに膝が後ろへ突っ張る方は、「脳卒中後の膝のロッキングの原因と改善方法」についてもあわせてご覧ください。

関連記事:脳卒中後の膝のロッキングの原因と改善へのアプローチ

原因② 足首が上がらず、つま先が引っかかる

足首の動きも、ぶん回し歩行と深く関係しています。

歩いて足を前へ運ぶとき、つま先は自然に少し上がります。この動きによって床との間に空間ができ、つまずかずに一歩を出せるようになります。

しかし脳卒中後は、麻痺の影響によって足首を上げにくくなることがあります。

足首が上がらず、つま先が下を向いた状態になると、わずかな段差やカーペットにも足先が引っかかりやすくなります。

そのため身体は、足先を直接上げる代わりに、足全体を外側へ回して床を避けようとすることがあります。

また、脳卒中後には足首が下を向くだけでなく、足が内側へ向きやすくなる方もいます。

このような状態になると、さらに足先を床から離しにくくなります。

ぶん回し歩行がある場合は、「股関節を大きく動かしているか」だけを見るのではなく、歩いているときの足首やつま先の状態まで確認することが大切です。

原因③ 麻痺側の足で身体を支えにくい

ぶん回し歩行というと、「足をどう前へ出すか」に注目しやすくなります。

しかし、歩行では足を前へ出す前の身体を支える動きも非常に重要です。

私たちが歩くときは、右足で身体を支えながら左足を前へ出し、次は左足で身体を支えながら右足を前へ出します。

この左右の繰り返しが歩行です。

脳卒中後の片麻痺では、麻痺側へ体重を乗せることに不安を感じる方が少なくありません。

「膝がガクッとしそう」「足に力が入っている感じがしない」「麻痺側へ体重を乗せるのが怖い」と感じると、身体は無意識に麻痺していない側へ逃げるようになります。

すると麻痺側で身体を支える時間が短くなり、次の一歩を出すための準備も不十分になりやすくなります。

その結果、身体を大きく使いながら足を外側から回し、前へ運ぶことがあります。

つまり、足をきれいに前へ出すためには、その前に麻痺側で身体を支えられることが重要な場合があるということです。

原因④体幹や骨盤を大きく使って足を出している

ぶん回し歩行では、足だけでなく身体全体の動きにも特徴がみられることがあります。

たとえば麻痺側の足を前へ出す瞬間に、骨盤を大きく持ち上げたり、身体を反対側へ傾けたりする動きです。

これらにも理由があります。

膝が十分に曲がらなかったり、足首が上がらなかったりすると、足先を床から離すことが難しくなります。

そこで骨盤を持ち上げたり、身体を反対側へ傾けたりすることで、麻痺側の足を床から離しやすくしているのです。

そのため、身体が傾いているからといって、「身体をまっすぐにしてください」と姿勢だけを修正すると、逆に足が出にくくなることがあります。

重要なのは、なぜ身体を傾けなければ足を前へ出せないのかを考えることです。

また、体幹が安定していないことで足の動きに影響が出ている場合もあります。

身体の中心が安定すると、手足を動かすための土台を作りやすくなります。

ぶん回し歩行を改善するときには、足だけでなく、体幹や骨盤を含めて身体全体を見ることが大切です。

▶ 足だけでなく身体全体の使い方が気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

関連記事:「足が重い、手が上がらない』原因は体幹かも?脳卒中後に多い5つの悩み

ぶん回し歩行に関係する筋肉は?

「ぶん回し歩行を改善するには、どの筋肉を鍛えればいいですか?」

この疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、一つの筋肉だけを鍛えればぶん回し歩行が改善するとは限りません。

歩行は、たくさんの筋肉が適切なタイミングで働くことで成り立っています。

足を前へ出すための筋肉

歩くときには、太ももを前へ運ぶ動きが必要になります。

お腹の奥から太ももの付け根につながる「腸腰筋」という筋肉などが、この動きに関係しています。

筋肉の名前を覚える必要はありません。

重要なのは、股関節を使って足を前へ運べることです。

この働きがうまく使えないと、身体を後ろへ反らしたり、骨盤を大きく動かしたりしながら足を前へ出す場合があります。

ただし、足を前へ出しにくいからといって、座った状態で足上げ運動だけを繰り返せばよいとは限りません。

実際に歩くときには、身体を支えた状態からタイミングよく足を前へ運ぶ必要があります。

筋肉の強さだけではなく、歩行の中で使えるかどうかが重要です。

膝を曲げる動きに関係する筋肉

太ももの裏側には、膝を曲げる動きに関係する筋肉があります。

歩行では、足を前へ振り出すタイミングで膝が自然に曲がることで、足先を床から離しやすくなります。

そのため、この部分の筋肉がうまく働かないと、足を前へ運びにくくなる可能性があります。

しかし、「膝が曲がらないから太ももの裏の筋肉を鍛えればよい」と単純なことではありません。

足を後ろから前へ切り替えるタイミングや足首の動き、股関節の使い方などが影響し、結果として膝が曲がりにくくなっていることもあるためです。

ぶん回し歩行のリハビリでは、筋力だけでなく身体全体のつながりを見ることが大切です。

足を蹴り出して前へ運ぶための筋肉

歩くときは、足を前へ出す前に、地面を後ろへ押すような動きが必要です。このときに大きく関わるのが、ふくらはぎにある下腿三頭筋です。

下腿三頭筋は、ふくらはぎの表面にある腓腹筋と、その奥にあるヒラメ筋からできています。歩行では、かかとが床から離れてつま先で地面を押す場面で働き、身体を前へ進める力を生み出す役割があります。

また、この蹴り出しがうまく行われることで、次に膝が曲がり、足を前へ振り出す動きへつながりやすくなります。

脳卒中後の片麻痺では、ふくらはぎの筋肉を適切なタイミングで使いにくくなることがあります。すると、足を後ろから前へ切り替える動きが小さくなり、膝が十分に曲がらないまま足を振り出すこともあります。

その結果、つま先を床から離すために、足を外側へ回すぶん回し歩行につながる場合があります。

そのため、ぶん回し歩行を考えるときには、足を前へ持ち上げる筋肉だけでなく、その一歩前に、ふくらはぎを使って地面を押し、足を前へ送り出せているかを見ることも大切です。

片麻痺のぶん回し歩行は改善できる?

ぶん回し歩行が続いていると、「この歩き方はもう変わらないのでしょうか?」と不安になる方もいると思います。

ぶん回し歩行は、その原因や身体の状態によって、リハビリを行うことで歩き方が変化する可能性があります。

ただし、すべての方に同じ運動を行えば改善するわけではありません。

原因に合わせたリハビリで歩き方が変わる可能性がある

たとえば同じように右足を外側へ回して歩く二人がいたとします。

一人は膝が十分に曲がらないことが大きな原因かもしれません。もう一人は足首が上がらず、つま先を床に引っかけないために足を外側へ回している可能性があります。

見た目は似ていても、身体の中で起きていることは違います。

当然、必要なリハビリも変わってきます。

だからこそ重要なのが、「ぶん回しをなくすこと」から始めるのではなく、「ぶん回しが起こっている原因」を確認することです。

原因が分かれば、麻痺側で身体を支える練習が必要なのか、膝や足首の動きを改善する必要があるのか、装具を見直した方がよいのかなど、リハビリの方向性を考えやすくなります。

「ぶん回しをなくすこと」だけが改善ではない

歩き方の見た目が気になる方も多いと思います。

「以前のように普通に歩きたい」「周囲から麻痺が分からないように歩きたい」と感じるのは自然なことです。

しかし、リハビリで大切なのは見た目だけではありません。

足を少し外側へ回していたとしても、安全に長い距離を歩けている方もいます。

反対に、足をまっすぐ出そうと意識しすぎた結果、つま先が床に引っかかり、転びそうになってしまうのであれば、その歩き方が必ずしも良いとはいえません。

「以前より歩きやすくなった」「疲れにくくなった」「外出できる距離が増えた」「転倒への不安が減った」といった生活の変化も、重要な改善の一つです。

ぶん回しがなくなったかだけではなく、歩くことでできることが増えたかという視点も大切にしましょう。

ぶん回し歩行の改善を目指す5つのリハビリ

ここからは、片麻痺のぶん回し歩行に対して考えられるリハビリについて紹介します。

必要な練習は一人ひとり異なります。立っているときにふらつきがある方や転倒経験がある方は、ご自宅で無理に行わず、専門家と身体の状態を確認しながら進めることが大切です。

👉動画でもステップの方法を詳しく解説しています。

リハビリ① 麻痺側の足で身体を支える練習

まず大切なのが、麻痺側の足で身体を支えることです。

歩行では「足を前へ出すこと」と「反対側の足で身体を支えること」を交互に繰り返しています。

麻痺側の足に体重を乗せることが怖いと、身体は無意識に麻痺していない側へ逃げやすくなります。

そこでリハビリでは、立った状態でゆっくり左右へ体重を移動したり、麻痺側で身体を支えながら反対側の足を小さく動かしたりする練習を行うことがあります。

大切なのは、無理やり麻痺側へ体重を乗せることではありません。

足の裏で床を感じながら、「ここまでなら安心して乗せられる」という範囲を少しずつ広げていきます。

麻痺側で身体を支えやすくなることで、身体を反対側へ大きく傾けなくても足を動かしやすくなる場合があります。

リハビリ② 股関節と膝を一緒に動かす練習

ぶん回し歩行では、足を前へ出す際に膝が十分に曲がっていないことがあります。

そこで必要になるのが、股関節と膝を別々に動かすのではなく、一つの流れとして動かす練習です。

椅子に座った状態で足を前後に動かしたり、立った状態で小さく一歩出したりしながら、膝が自然に曲がる感覚を確認していきます。

このとき、「膝を曲げなければ」と力みすぎる必要はありません。

一つの場所に力を入れすぎることで身体全体が硬くなり、かえって足が動かしにくくなることもあります。

まずは小さな動きから始め、股関節・膝・足首が一緒に動く感覚を作っていくことが大切です。

リハビリ③ 足首を動かしやすくする

歩いているときにつま先が引っかかる方では、足首の確認も欠かせません。

座っている状態ではつま先を上げられるのか、立つとどうなるのか、実際に歩いたときにも同じように動かせるのかを見ていきます。

座っているときは足首を上げられるのに、歩くと足首が下を向いてしまう方もいます。

一方、自分で動かそうとしてもほとんど動かない方もいるでしょう。

また、長期間動かしにくい状態が続くことで、足首そのものが硬くなっている場合もあります。

同じ「つま先が上がらない」という状態でも原因は違います。

そのため、自宅で強いストレッチを繰り返すのではなく、現在の足首がどの程度動くのかを確認しながら進めることが重要です。

リハビリ④ 一歩ずつステップする練習

ぶん回し歩行を変えようとすると、すぐに長い距離を歩く練習をしたくなるかもしれません。

しかし、歩行はたくさんの動きが組み合わさった複雑な動作です。

いきなり歩行全体を変えるより、一歩ずつ確認した方が分かりやすい場合があります。

まず麻痺側の足を小さく前へ出し、つま先が床に引っかからないか、膝が伸びたままになっていないか、身体を大きく傾けないと足が出ないかなどを確認します。

その後、再び元の位置へ戻します。

小さなステップが安定してきたら、少しずつ一歩の距離を広げたり、連続した歩行につなげたりしていきます。

大きく一歩を出すことよりも、身体を支えながら一歩をコントロールできることが重要です。

リハビリ⑤ 実際の歩行につなげる

部分的な練習ができるようになっても、それだけで終わりではありません。

最終的には実際の歩行につなげていきます。

立った状態で体重を移動し、一歩出す。そこからもう一歩へつなげ、少しずつ歩く距離を伸ばしていきます。

また、リハビリ室の平らな床だけで歩ければ十分というわけではありません。

実際の生活には方向転換や段差、狭い場所、屋外など、さまざまな環境があります。

最終的には、生活の中で必要な場所を安全に歩けることを目指していきます。

▶ ご自宅で歩行練習を続けている方は、安全に歩行能力を高めるためのポイントもあわせてご覧ください。

関連記事:脳卒中後の転倒を防ぐ!歩行の安定性を高める5つの自主トレポイント

装具でぶん回し歩行が変わることもある

脳卒中後、歩くために装具を使用している方も多いと思います。

装具には足首を支えたり、つま先が下を向きすぎるのを防いだりして、安全に歩くことを助ける役割があります。

特に、足首が上がらないことでつま先が床に引っかかり、その結果としてぶん回し歩行が起こっている方では、装具を使用することで足を前へ出しやすくなる可能性があります。

一方、「ぶん回し歩行があるから装具をつければよい」という単純なものではありません。

膝の曲がりにくさや麻痺側で身体を支えること、体幹の使い方などが大きく関係していれば、装具だけで歩き方を変えることは難しい場合もあります。

また、装具にはさまざまな種類があり、足首の動きや固定する強さによっても歩き方は変わります。

以前から同じ装具を使っていても、身体の状態が変化していることもあります。

「以前より足が出しにくくなった」「装具をつけると膝が突っ張る」「最近つまずきが増えた」と感じる場合には、現在の身体の状態と装具が合っているかを確認してみましょう。

▶ 装具を使い続けるべきか、外してよいのか悩んでいる方はこちらの記事も参考にしてみてください。

関連記事:「脳卒中後、装具は外せる?歩きやすくするために大切なこと

自宅でぶん回し歩行を改善するときの注意点

ご自宅で自主トレーニングを続けている方も多いと思います。

毎日身体を動かすことは大切ですが、ぶん回し歩行の場合は注意したいポイントがあります。

無理に足をまっすぐ出そうとしない

特に注意したいのが、無理にぶん回しを止めようとすることです。

足を外側へ回している姿を見ると、「足をまっすぐ前へ」「外へ回さないように」と意識したくなるでしょう。

しかし、足を外側へ回すことで、つま先を床に引っかけずに歩いている可能性があります。

その状態で急に足をまっすぐ出そうとすると、足先が床に当たり、つまずいてしまうことがあります。

ぶん回し歩行があるからといって、外側へ動く足だけを無理に止める必要はありません。

まず、「足をまっすぐ出すと、なぜ歩きにくいのか」を考えてみましょう。

膝が曲がっていないのかもしれません。足首が上がっていない可能性もあります。麻痺側へ体重を乗せることが怖い方もいるでしょう。

原因が変われば、歩き方も自然に変化する可能性があります。

自主トレは回数より「歩き方につながっているか」が大切

ぶん回し歩行を改善したいからといって、足上げ運動を何十回、何百回と繰り返せばよいわけではありません。

たとえば座った状態で太ももを100回持ち上げられても、実際の歩行で麻痺側の足に体重を乗せられなければ、その力を歩く動作へ十分につなげられない場合があります。

反対に、多くの回数を行わなくても、立った状態で身体を支えながら一歩を丁寧に練習した方が、実際の歩き方につながりやすいこともあります。

大切なのは、「何回運動をしたか」ではなく、「その運動が自分の歩き方の問題につながっているか」です。

現在行っている自主トレーニングが自分のぶん回し歩行の原因に合っているのか分からない場合は、一度専門家へ相談してみるのもよいでしょう。

ご家族がぶん回し歩行を見るときに大切なこと

脳卒中後のリハビリでは、ご家族の支えも非常に大切です。

ご本人が歩いている姿を見ると、「もっと膝を曲げて」「足を上げて」「身体をまっすぐにして」と声をかけたくなることもあると思います。

もちろん、安全のために声をかけることが必要な場面もあります。

しかし、歩き方にはご本人にしか分からない怖さや動かしにくさがあります。

本人も「足をまっすぐ出したい」と思っているのに、身体が思うようについてこないことがあります。

そのため、ご家族には歩き方を細かく注意することよりも、「最近、前より歩きやすそうだね」「つまずく回数は増えていない?」「外を歩ける距離が少し伸びたね」といったように、生活の変化を一緒に確認していただくことをおすすめします。

リハビリの目的は、見た目だけをきれいにすることではありません。

買い物へ行く、家族と外出する、仕事へ戻る、旅行を楽しむ、趣味を再開する。

そのような「歩いた先にある生活」を取り戻していくことが、とても大切です。

ぶん回し歩行で悩んでいる方は原因を一度確認してみましょう

ぶん回し歩行は見た目で分かりやすいため、「足を外側へ回すこと」が問題だと思われやすい歩き方です。

しかし、この記事で説明してきたように、その背景にはさまざまな身体の変化があります。

膝が曲がりにくい方もいれば、足首が上がりにくい方もいます。麻痺側で身体を十分に支えられないことが関係している場合もあり、複数の原因が重なっているケースも珍しくありません。

そのため、「ぶん回し歩行には、この筋肉を鍛えればよい」「足をまっすぐ出す練習だけをすればよい」と一つの方法に決めてしまうことはおすすめできません。

大切なのは、現在の歩き方を身体全体から確認し、自分がなぜ足をぶん回しているのかを知ることです。

原因が分かれば、必要なリハビリの方向性も見えてきます。

膝や足首の動きが関係しているのかもしれません。麻痺側で身体を支える練習が必要な場合もあります。体幹や骨盤を含めた身体全体の使い方を見直した方がよい方や、装具の状態を確認した方がよい方もいるでしょう。

一人ひとりによって答えは異なります。

沖縄リハビリステーションNOVAでは、足だけを見るのではなく、足首・膝・骨盤・体幹など身体全体のつながりを確認しながら、その方に合わせたリハビリをご提案しています。

「退院してから歩き方が変わらない」「ぶん回し歩行を少しでも改善したい」「今行っている自主トレが自分に合っているのか分からない」といったお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

まとめ

脳卒中後の片麻痺でみられるぶん回し歩行は、麻痺側の足を外側へ半円を描くように運ぶ歩き方です。

見た目では「足を外側へ回していること」が問題に見えますが、その背景には、膝の曲がりにくさや足首の上げにくさ、麻痺側で身体を支える力、体幹や骨盤の動きなど、さまざまな原因が関係しています。

また、足を外側へ回すこと自体が、つま先を床に引っかけずに歩くための身体の工夫になっている場合もあります。

そのため、ぶん回し歩行の改善を考えるときに大切なのは、無理に足をまっすぐ出すことではありません。

「なぜ、この足は外側へ回る必要があるのだろう?」

と原因を考えることが改善への第一歩になります。

原因に合わせたリハビリを行うことで、足が前へ出しやすくなったり、身体の傾きが少なくなったり、以前より歩きやすさを感じられる可能性があります。

そして、歩き方の見た目だけにとらわれず、安全に歩けること、疲れにくくなること、歩ける場所やできることが増えることを大切にしていきましょう。

一人ひとり身体の状態や歩き方は違います。

ご自身に合った方法を見つけながら、少しずつ生活の中の「できること」を増やしていくことが大切です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次