脳卒中 当事者向け

脳出血や脳梗塞後の体調変化、沖縄でも春の寒暖差には要注意!

はじめに

「沖縄は一年中あたたかいから、気温による体調変化は心配ない」と感じていませんか?
しかし実は、沖縄の春にも寒暖差がある日があります。

特に朝晩と日中の気温差が大きい日は、自律神経に負担がかかりやすくなります。
気圧や温度の変化で血圧が乱れることで、再発リスクが高まる可能性もあります。

この記事では、脳卒中後の方やそのご家族が、沖縄の春を安心して過ごすために押さえておきたいポイントをわかりやすく解説していきます。

1. 自律神経への負担

脳卒中後の方は、自律神経がうまく働かないことがあります。これは、脳の損傷部位によって体温調整機能や代謝に関わる神経回路が影響を受けているためです。

気温が1日で大きく変わると、体は体温や血流を調整しようとします。
しかし、自律神経がうまく働かないとその調整が追いつきません。
結果として「なんとなくだるい」「疲れがとれない」といった不調が出てきます。

また、沖縄の春は、朝晩と日中の温度差が大きいことがあります。
この寒暖差は、自律神経にとって大きなストレスになります。

2. 血圧の変動と再発リスク

脳出血・脳梗塞を経験した方にとって、血圧の管理は命に関わる重要なポイントです。
たとえば、朝、寒い布団から急に立ち上がると血圧が急上昇しやすくなります。
昼間に外出して急に暑くなると、体がその変化に追いつかず、血圧が変動しやすくなります。
このような環境の変化も、体にとっては大きな負担となります。

また、「モーニングサージ」と呼ばれる朝の血圧上昇も注意が必要です。
これは、目覚めと同時に交感神経が活発になり、血圧が急上昇する現象です。
寒暖差の大きい朝は、特に再発リスクが高まるとされています。

沖縄で気をつけたい春の特徴

寒暖差だけでなく湿度差も要注意

沖縄は本州に比べて湿度が高い地域ですが、春は乾燥する日もあり、湿度の変動も自律神経や皮膚・呼吸器系にストレスを与えることがあります。そして、乾燥によるのどの痛みや、室内の冷暖房での体温調整の難しさにも注意が必要です。

春の「黄砂」や「花粉」による間接的影響

春は黄砂や花粉が飛ぶ季節でもあります。これらのアレルゲンが体内に入ると、免疫反応やアレルギー症状を引き起こし、炎症によって血圧が上がることも。特に既往歴のある方は、マスクや空気清浄機の活用を意識しましょう。

【沖縄県の黄砂情報も見ることができます】
https://tenki.jp/yellow-sand/10/50/

脳卒中後の方が気をつけたい5つの対策

1. 起床後は「5分の習慣」

朝起きてすぐに立ち上がるのではなく、まずは5分間ベッドの上で軽く手足を動かしましょう。
「目覚めのストレッチ」を取り入れることで、血流が安定し、血圧の急上昇を防げます。

2. 重ね着+首・足首を温める

薄手のカーディガンやスカーフ、レッグウォーマーなどを活用して、体の要所を冷やさない工夫を。特に首・手首・足首の「3つの首」は血流の通り道であり、ここが冷えると全身が冷えやすくなります。

3. 血圧記録と体調メモ

血圧だけでなく、「今日は体が重い」「よく眠れなかった」といった主観的な体調も一緒にメモしておくことで、寒暖差や気圧との関係を可視化できます。また、ご家族が把握しやすくなることでサポートもしやすくなります。

4. 室温と湿度の両方を意識

春は「エアコンは不要」と感じるかもしれません。
しかし、湿度や気温が不安定な日は冷暖房で調整する必要があります。
温度は22〜25℃、湿度は50〜60%を目安にしましょう。
湿度が下がる日は加湿器を、逆に湿度が高い日は除湿機を活用してください。

5. 水分補給は食事以外でこまめに

スープやお茶も良いですが、水分補給はそれだけでは不十分です。
ミネラルウォーターや麦茶などを定期的に飲むことを習慣にしましょう。
また、カフェインを含む飲料(コーヒーや緑茶)は、利尿作用が強いため注意が必要です。
飲みすぎると、逆に脱水を招く可能性があります。

家族ができるサポート

小さな変化に気づく「第三者の目」

当事者本人は、自身の体調変化に気づきにくいことがあります。また、表情の変化、歩き方の違和感、食欲の低下など、家族が観察して早めに対応することで大きなリスクを未然に防げます。

入浴時の声かけと見守り

春先の肌寒い日に熱いお風呂に急に入ると、ヒートショックのような血圧急変が起こることがあります。脱衣所を温めたり、入浴前に軽い運動を取り入れたりするだけでも安全性はぐっと高まります。

【暖かい沖縄でも注意!脳卒中後の血圧管理と生活習慣についての記事】
https://nova-okinawa.jp/?p=982

リハビリ中の方へのアドバイス


体調日誌をリハビリに活かす

「今日は天気がよかったから調子がよかった」「昨日は寒くて動きが鈍かった」など、天候と体調の記録を続けることで、自分の傾向がつかめます。そして、これらをリハビリスタッフと共有することで、より効果的なメニュー調整が可能になります。

気温や湿度に応じた屋内運動の工夫

寒暖差が大きくて屋外運動が難しい日は、室内でもできる体操やストレッチ、軽い筋トレに切り替える柔軟さが大切です。また、動画やラジオ体操を活用することで、モチベーション維持にもつながります。

最後に:沖縄だからこそ「気を抜かずに、快適に」

沖縄の春は、花が咲き、風が心地よく、過ごしやすい季節です。しかし、脳卒中後の体にとっては小さな変化が大きな負担になることも。

「暖かい=安全」と油断せず、気温・湿度・生活リズムのバランスを取りながら、自分らしいペースでリハビリと日常生活を送ることが大切です。


ご相談はお気軽に

沖縄リハビリステーション NOVAでは、沖縄の気候や生活スタイルに合わせたオーダーメイドのリハビリをご提案しています。

不安なことや気になる症状があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご本人だけでなく、ご家族の安心にもつながるリハビリサポートをお届けします。

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