脳卒中 当事者向け

リハビリでよく行われる「足の筋トレ」方法を動画で解説

リハビリでは足のトレーニング(筋力トレーニング)を頻繁に行います。今回は、リハビリで行われる足の筋トレについてお伝えします。

筋力トレーニングとは?

筋力や筋持久力の向上、筋肥大を目的とした運動のことで、目的により様々な方法があります。筋力トレーニングは、関節を痛めた方やスポーツを行う方、怪我を予防するためにも重要なリハビリテーションの一つです。しかし、患者様各々の状態や背景に合わせて正しい方法で実施しないと痛めてしまうこともあります。

そもそも、なぜ筋肉を整える必要があるのか?

リハビリでは、筋肉の状態を整えることで動作(日常生活動作や歩行など)の改善を行います。

筋力の状態を整える方法は、

  • ストレッチ
  • 筋力トレーニング
  • 神経・筋肉の促通(バランス練習含む)

などがあります。

筋肉は柔軟なゴムのような状態で、いつでも収縮したり、伸び縮みできる状態でスタンバイしておくと、良いパフォーマンスが発揮できます。何らかの疾患や運動不足などによって、筋肉の状態に不具合が出ている状態から、元の状態の良い筋肉に戻し、動作が無理なく行えるようにしていくことがリハビリの役目であるともいえます。

脳卒中当事者の方の場合、本来はゴムのような状態であるはずの筋肉が、意識しなくても固くこわばってしまっていたり、逆に筋肉が緩くなり、すぐに収縮させることができなくなることがあります。結果として、必要なときに必要な量の筋肉の収縮を瞬時に起こすことができず、自分の思った通りの動きができなくなります。

脳卒中後遺症があり、片麻痺の症状がある方は、筋力を増大させることも大切ですが、筋力そのものへのアプローチよりも、全身のバランスを整えるバランス練習や動作学習などによって大幅に動作の改善がみられる場合があります。

歩くだけで足の筋力は強くなる?!

残念ながら、ウォーキングでは足腰の筋肉を鍛えることはできません。 筋肉をつけるためには、筋肉に負荷をかけることが必要です。 しかし、ウォーキングでは十分な負荷がかけられません。 そのため、年齢とともに進行する筋肉の減少を防ぐことはできません。なので、年齢を重ねるにつれ筋力トレーニングを行う必要性は高まり、人生100年時代ではもはや、中高年以降は筋トレの習慣化が必須になっていくだろうと予想されます。

足の代表的な筋肉

おもな脚の筋肉として、以下の4つが挙げられます。

大腿四頭筋

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は、太ももの前面にある大きな筋肉で、膝を伸ばすときに使われます。また、大腿四頭筋は抗重力筋と呼ばれる、地球の重力に反して姿勢を保つ役割を担う筋肉です。立ったり、歩いたりするときに重要な筋肉であるため、特に意識して鍛えるとよいと言われています。

ハムストリングス

ハムストリングスは太ももの裏側にあり、膝を曲げるときに使われる筋肉です。

下腿三頭筋

下腿三頭筋(かたいさんとうきん)はふくらはぎの筋肉で、つま先を下げたり、つま先立ちをしたりするときに使われます。下腿三頭筋も大腿四頭筋と同じく、抗重力筋の一つです。

前脛骨筋

前脛骨筋(ぜんけいこつきん)はすねの筋肉で、つま先を上げるときに使われます。

下肢筋力トレーニングの効果とは?

下肢の筋力は、普段の生活を送るうえで欠かせないものです。下肢筋力トレーニングを行うことで、下半身の筋力維持・向上が期待できます。さらに下肢の筋力がつくことで、活動量の増加にも繋がり、良い循環が生まれていきます。一方、下肢の筋力が低下すると日常生活にも支障をきたし、活動量が落ちる原因となります。下肢筋力はすぐに鍛えられるものではないため、継続的なトレーニングをすることが大切です。

下肢筋力トレーニングは座ったままでもできる!

下肢筋力トレーニングは立った状態以外にも、座ったままでもできます。なかには車イスを利用する方や足腰に不安を抱える方など、立った状態で筋力トレーニングをするのが難しいケースもあります。その場合は座ったままできるトレーニングメニューを行うと、下肢の筋力向上が図れます。

下肢の筋力トレーニングの種類

スクワット

スクワットは、「筋トレの王様」と呼ばれるくらい、簡単で、足全体の筋肉に効果がある素晴らしいトレーニング方法です。

変形性膝関節症の方や、特に太ももやお尻の筋肉を鍛えたい方にはおすすめの運動になります。自主トレメニューとしても非常に優秀で、一度やり方を覚えて仕舞えば、どこでもすぐに、簡単に実行できるため、リハビリの足のトレーニングとしてよく行われています。

スクワットでは、かがむ動作を繰り返すだけなのですが、足先よりも膝が前に出るような姿勢で行うと膝を痛める可能性があります。一番簡単な良いフォームの覚え方は、椅子を置き、そこに座ったり立ったりを繰り返すことで、正しい姿勢でのスクワットができます。ぜひ試してみてください。

お尻上げ

お尻上げもリハビリで非常によく行われる筋トレの一つです。仰向けで寝て、両足裏を床に付け、お尻を上げ下げするだけで、お尻からハムストリングス(ももの裏側の筋肉)、体幹(腹筋群、背筋群)を鍛えることができます。

リスクの少ない安全な運動で高齢者には向いていますが、その分負荷はスクワットほど強くなく、回数を多めに設定するなどの工夫が必要です。足を置く位置を変えることで、効かせる筋肉を変えることもできます。

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